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江差線一部廃止  飛び地の問題 

5月12日をもって江差線(木古内~江差)が廃止される。5月12日からはバスが運行される。

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無くなるものは商売ができる 

無くなるときにはテレビや新聞が注目する。そうすると人も集まる。無くなるというと名残惜しいのかいきたくなる。ということで商売ができる。普段はディーゼル車しか走らないのに、ディーゼル機関車プラス客車という興味を引きやすい企画を立てる。 

毎年のように寝台列車がなくなれば人が集まるのは今に限ったことではないし、そこで一商売しようとするのも驚きはない。民間会社なのだから気にすることもないが、鉄道ファンが金を落とすならもっと早く落とすようなサービスを展開すればよかったと思われる。鉄道部品を盗むなど論外ではあるが、いい商売をしているといえる。函館~江差までが片道1840円なのにしたいし、1万円以上の料金をとるのだから。片道プラスバスに弁当がついて多少のグッズがついてもなかなかいい商売しているといえる。鉄道ファンは金を落とす趣味だとつくづくかんじる。 

バス転換後は鉄道より高くなる?

転換後の運賃はどうなるかというと、木古内~江差間が1120円、函館~木古内が840円なので、通し運賃が1840円とすると、120円値上がりすることになる。ただし、函館~木古内がJR北海道だからであって、函館~五稜郭までは北海道新幹線開業後は第三セクター化することになっている。第三セクターは値段は高くなりやすいのでどうなるかはわからない。もっとも江差から函館まで鉄道でも2時間強なので乗りとおす人は少ないだろうが・・・ あっても自治体補助になれば定期券での割引率調整がはいるかもしれない。

平行在来線とは

 今回の廃止は北海道新幹線が開業するのと同時ではないので、直接つながってはいないようだが間接的につながっている。というのも江差線の五稜郭から木古内までは第三セクターからするからだ。

第三セクターとは開業する新幹線と並行し、優等(特急)旅客が新幹線に移る線区でこれを新幹線とともにJRに経営させることが二重投資にあたる線区のことである。新幹線を建設するときは開業時にJRから経営分離することを認可前に確認する必要がある。

この文章は北陸新幹線開業時に第三セクターになる富山県内の会社(あいの風とやま鉄道)の説明であるが、北海道でもこれがあてはまるだろう。 

JR北海道でも札幌まで開業するなら切り離す区間を明示している。木古内~五稜郭の江差線。函館~小樽までの函館線。函館線は札幌延伸時なので当面はJRが運営することになっている。簡単に言うと儲かる路線は並行しようがJRがやりますよということ。小樽から札幌も本来なら並行路線だが、札幌都市圏であり、空港輸送も関係しているといって切り離さないということになっている。九州新幹線でも、博多から熊本は並行しているようだが、そのままJR九州が運行しているのも同じ理由といえる。

儲からない路線は切り離しますということである。もちろん新幹線は利益はでるものの、建設費などの負担もあるからできるかぎり儲からない路線は切り離したいと考えるのは仕方がないといえる。

飛び地とは 

木古内~江差は並行在来線として扱われないなら、JRに残ることになるのだが、ここで問題なのはどれだけ人が乗るかということになるだろう。第3セクターになるとJR線が周囲にないことになるが、それは廃止理由になるとは限らないからだ。飛び地の問題は新幹線が延伸するときに問題になるが、そのままJRが運営しているところもあるからだ。青森県にある大湊線(野辺地~大湊)は東北新幹線が新青森延伸時に八戸~青森間は第三セクター化(青い森鉄道)したので、大湊線へつながるJR線がなくなってしまったが、現在でも運行している。青春18きっぷでも野辺地までは青森からでも八戸からでも途中下車しなければ第三セクターに乗れるルールをつくっている。 

JR北海道は人が乗らないのに費用ばかりかかることを廃止理由にしている。 JR開業時より人数は6分の1で輸送密度が253人から41人なのだから確かに減少している。低いかというとJR東日本の岩泉線(2014年4月1日廃止)と同レベルくらいになる。岩泉線は平均通過人員が46人なので廃止されてもおかしくないだろう。平均通過人員は輸送密度と同じ意味ではないかと考えられる。

JR時刻表をみていると木古内~江差間は6往復運転している。岩泉線が3往復と考えるとよくやっていたといわざわるをえないだろう。ちなみにJR時刻表は江差線と津軽線が一緒のページに掲載されている。青森~函館間の輸送があるから当然なのだが、今回切り離される区間と同じようなところがある。蟹田~三厩間。どちらも途中で青函トンネルとつながっていて、本数も少ない。蟹田~三厩間は5往復と木古内~江差より少ない。ほぼ同レベルといってよい区間。違うのは津軽線は並行在来線として扱われないことだろう。おそらく青森~蟹田が並行在来線として第三セクター化したら廃止もありうる程度ではないだろうか。第三セクターの認定というのが微妙な差というのか会社の規模の大きさといういろいろな要因も考慮しているのだろう。

 

そもそも木古内~江差間は衰退がすでにつづいているようだ。廃止の理由にも高校の閉鎖や病院の移転など線内への移動する必要がなくなっているからだ。車での移動が圧倒的多数で江差線を通るより他の地域へ行くほうが便利なのだろう。マイナビの記事でも小学校が廃校するようなので、江差線の存在感は薄いものになっていたのだろう。周囲に人が集まる施設がなければ鉄道は乗らないのだから。もともと海産物や木材輸送でにぎわっていた路線で、道路ができて鉄道で物資を運ぶ必要がなくなると存続そのものが危うかったのだろう。

 

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